徳川吉宗の紀州藩主までの道

元禄10年（1697年）、14歳で第5代将軍・徳川綱吉に拝謁し、越前国丹生郡に3万石を賜り、葛野藩主となる。父・光貞と共に綱吉に拝謁した兄達に対し頼方は次の間に控えていたのだが、老中・大久保忠朝の気配りにより綱吉への拝謁が適ったものである。なお、葛野藩には実際には家臣を送って統治するだけで、吉宗は和歌山城下にとどまっていたといわれている。
宝永2年（1705年）に長兄・徳川綱教（紀州藩第3代藩主）が死去し、次兄の徳川頼職が後を継ぐ。しかし同年のうちに父・光貞、やがて頼職までが半年のうちに病死したため、22歳で紀州藩第5代藩主に就任する。

徳川吉宗の紀州藩主時代

徳川吉宗は紀州藩主就任時に将軍徳川綱吉から一字を貰い'''吉宗'''と改名している。 藩主に就任した吉宗は、兄二人と父の葬儀費用や幕府から借用していた10万両の返済、藩内各地で甚大な被害を発生させていた災害の復旧費などで悪化していた藩財政の再建に手腕を発揮する。宝永3年（1706年）に二品親王伏見宮貞致王女真宮理子女王を簾中（正室）に迎えた。